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非力/QuariBravo

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連続強盗未遂事件、被告に懲役1日 ○○地裁判決
 ~ 被告側は控訴の意向

 ○○市で昨年3月に起きた連続強盗未遂事件で、家宅侵入および強盗未遂の罪に問われた同市在住、無職 桑理部羅慕被告(44)の判決が24日、○○地裁であった。裁判長は検察の求刑通り懲役1日を言い渡した。

 判決によると、桑理被告は昨年3月1日、市内の路上を通行中の男性(102)に刃渡り25センチの包丁を突きつけて現金を要求したところ、男性から杖で頭や腰を強く殴られたため何も取らずに逃走した。また翌2日には、市内に住む会社経営者(35)宅に鉄パイプを持って侵入し、家で留守番をしていた長男(3)と長女(6)に金品を要求したところ、長男から真空飛びひざ蹴りを食らい長女に後ろ脳天逆落としを掛けられたため、一時意識を失った後、何も取らずに遁走した。さらに3日、市内のアパートに住む女性会社員(27)の部屋に金属バットを持って押し入り金銭を要求したところ、会社員と居合わせた友人ら女性4人に取り押さえられ局部を繰り返し手でマッサージをされたため精力を使い果たし、ふらふらの状態で逃走しようとしたところ、誤ってアパート階下の暴力団事務所に転落し、組員(86)ら十数人から集団で暴行を受けた末、全裸で路上に放置された。その後、通りがかりの保育園児(5)に路上で倒れているところを発見されたが、声を掛けられた桑理被告がいきなり保育園児から金を奪おうとしたため、保育園児から顔を数回殴打され気を失ったところを、近所の住人からの通報で駆けつけた○○署員に保護され逮捕された。

 裁判長は「高齢者や幼児、女性といった弱者ばかりを狙った卑劣な犯行で、地域社会に深刻な恐怖感を与えた」としながらも、「被告の極めて虚弱な筋力を考慮すると、たとえ再び犯行に及んだとしても他人に重大な危害をもたらすことはありえない」と断じ、そのうえで「無罪だと示しがつかないから、まあ一晩泊めてあげればいいんじゃないの」と述べた。

 一方、被告側は「このように虚弱な人間では、一般社会で生活することは無理。生活保護の観点から、国は被告を刑務所に収監して生涯の面倒を見るべき」として無期懲役を主張しており、控訴する方針。

 なお被告は、強盗未遂に際し被害者から受けた反撃が原因で多額の治療費が掛かったとして、被害者全員を相手取り、この治療費全額の支払いを請求する民事訴訟を同地裁に起こしている。こういうのを盗人猛々しいという。

▽ 担当検察官の話
 犯行の動機は「不況で勤め先が見つからず、金が欲しかった」という身勝手なものだが、犯行の結果、かえって高い治療費を負担するはめになった。なんだか哀れに思えて泣けてしまう。あんな筋力でよく強盗しようなどと思いついたものだ。きっと包丁で大根を切ることもできないに違いない。再犯の恐れはあるが、まあ、これからも頑張って生きてもらいたい。

▽ 被告代理人の弁護士の話
 控訴の手続きをしたいのだが、なんだか私まで脱力してしまって力が入らない。

▽ 被告代理人の弁護士の母の話
 つまんない事件ばかり当たっちゃうざますわ。わたくしの息子、東大卒なのに。あ、いま言ったこと聞こえましたこと? もう一回言うざます。わたくしの息子、東大を出て司法試験に一回で合格したざますの。すごいと思いません? なにしろ東大出身ざますからね。ところであなた、どこの大学出てるざますの? はあ、オックスフォードの大学院? TOEIC満点? ふ~ん…

▽ この日たまたま地裁を訪れた、担当記者と顔なじみの飲食店主(48)の話
 どうもごぶさた。え? 野球WBCの決勝、日本対韓国戦? さっき1-0で日本が勝ってたけど。

▽ 地裁前をワンセグ携帯片手に通りかかった工務店役員(52)の話
 野球WBCの決勝? いま9回裏、3-3で同点です。

▽ 市内にある家電量販店のテレビ売り場で、高校生(17)の話
 わ~、やった~っ、日本勝った! 超、嬉しい、もう最高っす!

▽ 同じく男性会社員(29)の話
 やってくれました、イチロー! ニッポン万歳!

▽ 社会部デスク(56)から担当記者への話
 お前、いま取材サボって家電量販店にテレビ見に行ってただろ。後で俺の所へ来い。

▽ やばいので判決の話に戻って、被害を受けた女性会社員の話
 男の人をおもちゃにしていじめるなんて、めったにない機会なので、部屋に押し入られたときは友達とみんなでめっちゃ盛り上がりました。とても楽しかったです。え、1日で出所できるんですか? わあ、それならぜひ、また私の部屋に侵入して襲ってきて欲しい。

(2009年3月24日 15:31配信)
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お見事!/ちとく

冬休み間近の放課後、少年は、校門に近いポプラの並ぶ辺りで、竹串より幾分太めの細かい枯れ枝を拾い集め、それを井桁に組んでいた。タテヨコ10cm程度の井桁の塔は、今、何よりも少年を夢中にしていた。
そこに、少年と同じクラスの優等生一味が通り掛った。
「お!キャンプファイヤーか?放火か?」
内気で、優等生に劣等感を持つ少年は、黙って井桁を組み続けた。一味のリーダー格が「手伝いまーす」とわざわざ敬語を使い、落ち葉を抱えて少年の井桁に放り投げた。
「よせ!」少年は、井桁を台無しにした落ち葉を、リーダー格らに向けて手荒く払った。
「チョメゾーのくせに!」リーダー格が少年の胸倉を掴むと、少年もリーダー格の上着に手をかけた。
その時、優等生一味の背後から、勇ましく甲高い声が響いた。「やめてよ!来年中学生なのに!」
声の主は、クラスで一番人気のマドンナで、優等生一味は誰もが狼狽した。彼らが気を取られている隙に、少年は胸倉の手を払いのけ、枯れ枝の回収に取り掛かった。
彼ら、特にリーダー格はマドンナに弱く、一方的に責められて校門から出て行った。それを見送ったマドンナは、相変わらず一心に枯れ枝を拾っている少年を扱いかね、なぜか手伝わなければならない気がした。
「こういうやつ拾えばいい?」「あ、うん、同じくらいの」
少年は、思わぬ共同作業に緊張はしたものの、暮れかかる寒空に気が急いた。
少年が井桁を組み始めると、マドンナも同じ井桁に枝を差したが、いちいち少年が置き直すので、隣に別の井桁を組んだ。少年とマドンナは、同じ枯れ枝の山から、二本ずつ抜いては井桁に積む作業を黙々と続けた。
少年の井桁が膝の高さを越えた頃、町のチャイムが夕方5時を告げ、マドンナは背伸びをして少年を見た。
「すごい、倍はあるね。悔しいけど、今日はここまで。明日の朝、早く来て続きしようかな。5時過ぎたよ、学校出ないと!」
少年は、マドンナが「さわるな!」の意味を込めて、地面に囲い線を引いたりするから、仕方なしに井桁から離れた。マドンナの、低くて歪な井桁に比べて、少年の井桁は真っ直ぐ上に伸びて、塔と呼ぶに相応しいものだった。
二人で校門を出てから、マドンナは内気な少年に気を使って、色々なお喋りをした。少年は、マドンナが頭が良くて美人だと以前から知ってはいたけれども、そのお喋りには殆ど興味が持てなかった。T字路に差し掛かり、「私こっち、明日の朝カメラ持ってくから!」とマドンナは少年に手を振り、快活なウインクを飛ばした。少年は、ぎこちない会釈を返した。
一人になった少年は、遅めに歩いては振り返り、マドンナの行方を眼で追った。何度か繰り返した後、彼女が角を曲がって見えなくなった。少年は足を止め、ジャンバーのポケットから手を出して、ランドセルの肩紐を握った。そのまま数秒間、マドンナがもう来ないことを確認した。「よし!」
少年は一目散に駆け出して、マドンナと歩いた道を小学校まで戻り、半開きの校門もノンストップで、井桁の塔の前に躍り出た。
最初に、低くて歪な井桁。右足を井桁の真上に上げて一旦静止、そしてクシャ!
次いで井桁の塔。念の為ランドセルを下ろし、井桁の上に高々とジャンプ!両ひざを抱えるように、塔の真上から垂直に、出来るだけ膝を伸ばさず、一気に下まで、グッシャア!「ヒョッホオー!」
見事、井桁を木っ端微塵にした少年は、意気揚々と下校したのであった。

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