3月31日開催のゼミ参加者募集中! (課題:耳)

初心者からプロまで、どなたでもお気軽に参加できます!
【3D文章ゼミ】に寄せられた感想はこちらから!

◆第9回 3D文章ゼミ
 時間:2008年3月31日(月) 19時より 2時間程度(または遠隔参加)
 場所:東京都豊島区目白3-2-9-4階
 料金:4,000円
 ※当日ご持参ください(遠隔参加も同額で、事前にお振込みいただきます)。

第9回課題「耳」
課題の内容に沿って、本当(実際の体験や伝聞)のことに嘘(想像したこと考えたことなど)をまじえて書いてください。それが上達効果を生みます。1400字以内の文章にまとめてください。 
   ⇒締め切り 3月25日


■おおまかな流れは、文章学校「3D文章ゼミ」をご覧下さい。
※細かい流れはこちらです。

2月21日開催のゼミ参加者募集中! (課題:眼鏡)

初心者からプロまで、どなたでもお気軽に参加できます!
【3D文章ゼミ】に寄せられた感想はこちらから!

◆第8回 3D文章ゼミ
 時間:2008年2月21日(木) 19時より 2時間程度(または遠隔参加)
 場所:東京都豊島区目白3-2-9-4階
 料金:4,000円
 ※当日ご持参ください(遠隔参加も同額で、事前にお振込みいただきます)。

第8回課題「眼鏡
課題の内容に沿って、本当(実際の体験や伝聞)のことに嘘(想像したこと考えたことなど)をまじえて書いてください。それが上達効果を生みます。1400字以内の文章にまとめてください。 
   ⇒締め切り 2月18日


■おおまかな流れは、文章学校「3D文章ゼミ」をご覧下さい。
※細かい流れはこちらです。

サーモンマリネの味/chitoku

小学校でもらってきたというミニトマトの苗は、小さな植木鉢に移され、GW前頃から玄関脇の日当たりの良い場所に置かれた。雨が当たらない場所でもあり、梅雨どきの植木鉢には、頻繁にダンゴムシが出入りした。▼やがて何本かの苗は萎れてしまったが、最後に残った一本は貧弱ながらもいくつかの実をつけ、7月過ぎには最初の一個が赤くなった。出入りしていた何匹かのダンゴムシは、その小さな植木鉢にすっかり定着していた。▼▼その日は、記録的猛暑の晴天であった。▼1学期終業式を終え、帽子の下に大汗かいて帰宅した巨漢姉妹は、玄関脇の小さな植木鉢の、いくつかの完熟ミニトマトに気がついた。▼「すごーい」「食べられるかな」一瞥すると姉妹は、汗を滴らせながら急いで家に入った。「アイス、アイス!」「氷、氷!」▼ランドセルを放り投げた巨漢姉妹は、氷菓子を頬張りながらミニトマトの件を母親に報告した。▼「ふうん、夕食に使おうか。あとで入れといて!」巨漢姉妹の母親は、クーラーの下で洗濯物をたたみながら返答した。▼いくつかの氷菓子を丸のみしたのち、巨漢姉妹の妹は、小さな植木鉢を片手で掴み上げ、颯爽と家の中に戻った。そのとき、植木鉢の底に張り付いていた何匹かのダンゴムシは、植木鉢もろともダイニングキッチンまで運ばれてしまった。▼▼小さな植木鉢は、キッチンからダイニングを臨むハイカウンターに、新聞紙を敷いて置かれた。やがて母親は買い物に出掛け、巨漢姉妹はテレビを見て午後を過ごした。クーラーの設定は、姉によって22度まで下げられ、小さな植木鉢に潜んでいた数匹のダンゴムシは、最悪の環境に愕然として丸くなる他なかった。「寒い!」▼夕方、帰宅した母親が夕食の準備を始めた。沸騰するやかん、蒸気を立てる炊飯器、保温される鍋や炊事の熱気。ダンゴムシたちは、キッチンの暖気に気がついた。やがて恐る恐る移動を始めた数匹のダンゴムシは、植木鉢からキッチンの方向へ、難渋しつつも進んでいった。そして、カウンターからキッチン側に張り出していた、四つ折新聞紙の山折り部分から、ぽろりぽろりと一匹残らず滑り落ちてしまった。▼▼巨漢姉妹の母親は、冷蔵庫からサーモンマリネの材料を取り出して、大き目のプレート皿に盛り付けた。▼「そろそろご飯だよ!」手を伸ばしてミニトマトをもぎながら母親が言うと、「はあい」とテレビを見ながら姉妹が応えた。▼母親は、スライスしたミニトマトと瓶詰めのケーパーをサーモンマリネに添えてから、食卓の準備に取り掛かった。「お菓子やめなさい!」▼▼ダンゴムシたちは、吸い付けられるようにサーモンマリネに落下した。感覚器官が麻痺するほどの好ましい刺激臭!ところが、あまりの冷たさに手も足も出ず、結局丸くなる他なかった。「もっと寒い!」▼やがて、硬くなった数匹のダンゴムシに、ワインビネガーやオリーブオイルが染み込み始め、硬い甲殻が柔らかくなり、ひとまわり膨らんだように見えた。▼冷たいマリネ液にふやけてしまったダンゴムシたちは、それでも丸めた体を固持しつづけた。もはや触角さえ動かなくなっていたけれども。▼▼かくして、記録的猛暑となった7月某日、ミニトマトの小さな植木鉢にいた数匹のダンゴムシは、その家の巨漢姉妹に丸のみされたのであった。

3D文章ゼミ

初ゼミ! 1月30日開催のゼミ参加者募集中! (課題:寒い!)

初心者からプロまで、どなたでもお気軽に参加できます!
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◆第7回 3D文章ゼミ &新年会?
 時間:2008年1月30日(水) 19時より 2時間程度(または遠隔参加)
 場所:東京都豊島区目白3-2-9-4階
 料金:4,000円
 ※当日ご持参ください(遠隔参加も同額で、事前にお振込みいただきます)。

第7回課題「寒い!
課題の内容に沿って、本当(実際の体験や伝聞)のことに嘘(想像したこと考えたことなど)をまじえて書いてください。それが上達効果を生みます。1400字以内の文章にまとめてください。 
   ⇒締め切り 1月23日


■おおまかな流れは、文章学校「3D文章ゼミ」をご覧下さい。

箱付男/火星紳士

 ある時、公園の脇の電柱の下に、箱が落ちていた。1辺が20センチ位の白い箱で、角は滑らか、ツルンとしている。模様は無い。なんだろうこれは? しゃがんでよく見ると、上に小さく「ケッシテ、カイフウ、シナイデクダサイ」と書いてある。開封しないで下さい……。なんだろこれ? なんだ? 気になる。一度はそのまま置いて帰ろうとしたのだが、つい、まあ、そんな興味もあって、部屋に持ち帰ってしまったのである。

 あらためて良く見てみるとますます変な箱である。開封しないで下さいとあるのに、開けるところが無い。どの面もツルンとしていて、どこにも切れ目などないのだ。どうやって開けるのだ? オレは悩んだ。パズルかこれは? しかし、いくら眺めても、こねくり回しても、さっぱりわからぬ。もしや見落としている何かがあるのかも知れない。ごくごく小さな何かが。とりあえず、屋外に放置してあったので多少汚れている。まずこれをキレイにすることだ。

 オレはキッチン用洗剤を使って洗ってみた。この中性洗剤というものは、わりかし何でも落ちる。特になんとなく汚れたような、薄汚れには効果的だ。さらにお湯で洗う、洗剤をつけ、黄色いスポンジでこする。よし、キレイになってきた。スポンジで洗うとキュッキュと小気味良い音がする。キュッキュ、キュー、キュキュ、キューン、ギューン、ンーン、ギュウーン、ンーン、ゥン、ゥゥウーン。ゥン、ァン、ァーン、ァァーン、ん? な、なんだ? なんか、喋ってる? 

 3日3晩考えて得た結論は、こいつは生きている。何かの生物に違いない。というものだった。その証拠にこの箱のある部分をスポンジで撫でると、かなりハッキリ、「ゥウーン」とか「キャッ」とか音が鳴るのだ。そのうち、指だけでも、「きゃっ」とか「アン」とか鳴り出した。これを生きていると言わずして何と言おう。こいつはやはり、生物なのだ。しかもメスである。なんとも色っぽい音を出すのがその証拠だ。友人にこのことを喋ると「それって幻聴じゃないの?」とか「摩擦音がそう聞こえるだけなんじゃない?」とか「お前、溜まってんじゃないの?」とか言われてしまう。しかし、実際そう聞こえるものはしかたない。

 オレはこの箱の事を他人に吹聴するのをやめた。そして密かに世話をすることにしたのである。箱はどうやら、やさしく撫でられるのを好むようだ。強く叩いたり突いたりすると、暫くなんの反応もしなくなる。お風呂が好きなようである。花の匂いを嗅がせるとホンノリ色がピンクになる。しかし不思議である。生物であると言ったものの、この箱は何も食べない。にもかかわらず徐々に大きくなっているのである。気になったのでモノサシで測ってみたところ、3日前に比べて1ミリ大きくなっていた。やはり成長している。でも、口が無いのにどうやってエネルギーを得ているのだろうか。なぞである。

 ある日、箱に裂け目ができた。ちょうど「ケッシテ、カイフウ、シナイデクダサイ」の文字の所だ。引っ張ってみると剥けそうだ、慎重に徐々に開いてゆく、きれいに剥けた。薄いピンク色の箱になった。良く見てみると箱の1つの面に「モウ、シラナイ」と書いてある。箱は前より良く鳴るようになった。こすると「あっ、あぁん」「もう、あん」と聞こえる。うーん、幻聴だろうか。少し不安になってきた。それぐらい艶めかしい音がするのである。

 そして次の日、また箱に裂け目が出来た。裂け目から見える中身は、なんだか柔らかそうだ。覗いてみると、「キテ」と書いてある。な、なんなのだ。何がキテ? ど、どうしろと言うのだオレに。箱を撫でると「ハヤクー」と聞こえる。う、うーん。どうすれば、と、とりあえず、いや待て、これは行ってはいけない世界では? なにかマズイ、マズイよ何か! オレは目をつむって指をその中に入れた。そおっと、そおっと、慎重に……。「あああああ〜ん」ものすごい音がして、指がギュウギュウ締め付けられる。締め付けられる、締め、イテテテテテ! 痛い痛い痛い! 何だよこれはー! 

 それ以来、箱はオレの指から離れない。どこに行くにも箱付だ。開けてはいけないものは、「ケッシテ、アケテハ、イケナイ」のであるよ、ホントに。

3D文章ゼミ

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